漫画
人は生きる墓標だ 同じ人間が常に死に続ける 本作は『夜とコンクリート』『惑星9の休日』で独特の“間”、というかある決定的な“瞬間”をセリフや線を極力削いで描く著者特有の漫画の質感を、さらに推し進めた作品になっている。 『夜とコンクリート』は純粋な…
note.com とてもよかったんで読んでなかったらぜひ読んでほしい。 著者の根本氏は同人で乱歩的な怪人が跋扈する本格ミステリ作品『怪奇探偵・写楽 炎』シリーズを書き続けているのですが、それとは違った主人公たちを据えたこの作品は、これまでと同じような…
『バーナード嬢曰く。』の五巻が発売されたので、先日読んだ。四巻から二年ぶりということだが、町田さわ子は相変わらず本を読んでいて、自分の二年の停滞ぶりを思うと、なんだかその姿は眩しい。 今回もとても素晴らしく、彼らと本の風景は、巻を重ねるごと…
あらすじ 氷期を迎えつつある惑星。少しでも温暖な赤道面を巡り、世界は北半球と南半球に分かれて争っている。「深い湖」のカロは、孤児院から南半球側の密偵に志願した少年だ。彼は北半球側が建設中の56号移動城砦――その地下工廠に潜り込み、そこで見聞きし…
探偵小説、そんな言葉聞いて何を思い浮かべるでしょうか。怪奇色にあふれた血みどろの惨劇、異様な姿の怪人、大胆不敵なトリック、そしてそれらに敢然と立ち向かう名探偵。なんというか、江戸川乱歩的な風景を思い浮かべる人ならばぜひ読むべき漫画がありま…
偽史山人伝 (ビームコミックス) 『有害無罪玩具』に続く作品第二集。こちらも著者が自身のサイト「チラシのウラ漫画」で公開していた作品+書下ろしとなっています。今回は、日常に挿入される非日常な風景というか存在を語りつつ、そのことについての認識論的…
メランコリア 上 (ヤングジャンプコミックス) 作者: 道満晴明 出版社/メーカー: 集英社 発売日: 2018/03/19 メディア: コミック この商品を含むブログ (3件) を見る メランコリア 下 (ヤングジャンプコミックス) 作者: 道満晴明 出版社/メーカー: 集英社 発…
鬱ごはん(3) (ヤングチャンピオン烈コミックス) 作者: 施川ユウキ 出版社/メーカー: 秋田書店 発売日: 2019/03/19 メディア: コミック この商品を含むブログを見る この世には食べ物についての漫画があふれている。おいしいものを食べることの喜び、それを多…
有害無罪玩具 (ビームコミックス) 作者: 詩野うら 出版社/メーカー: KADOKAWA 発売日: 2019/02/12 メディア: コミック この商品を含むブログを見る これは、著者が2016年からWebに公開していた長編漫画のうち、表題作を含めた三本と最後の書下ろしである『盆…
ブルーピリオド(1) (アフタヌーンコミックス) 作者: 山口つばさ 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2017/12/22 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る 今かなり来てる漫画というか、いいよと言われることが多くなってきたので読んだらヤバかった…
同人――同じ趣味を持つ人の集まり、というのはかつての辞書的な意味であり、現在における同人の大雑把なつかみ(というか、あまり知らない人間が大雑把にイメージするもの)としては、好きな作品のキャラクターをもちいて自分なりにその作品世界を模倣してみ…
銀河の死なない子供たちへ(上) (電撃コミックスNEXT) 作者: 施川ユウキ 出版社/メーカー: KADOKAWA / アスキー・メディアワークス 発売日: 2017/09/27 メディア: Kindle版 この商品を含むブログ (2件) を見る 銀河の死なない子供たちへ(下) (電撃コミッ…
これはいいSF漫画。 平行進化、群知能、ダイソン球、軌道エレベーター、確率、といったSFゴコロをくすぐるテーマで語られるSF短編集。どれもが魅力的なアイデアに満ちていて、それを語りつくす、というよりはさらりと皿にのせて読者に供して、それぞれの咀嚼…
バーナード嬢曰く。 (4) (REXコミックス) 作者: 施川ユウキ 出版社/メーカー: 一迅社 発売日: 2018/07/27 メディア: コミック この商品を含むブログ (1件) を見る というわけで、早くもというか、ようやくというか、この読書にまつわる滑稽で愛すべき漫画も…