蒼ざめた犬

齧ったフィクション(物語)の記録。……恐らくは。

2018-03-01から1ヶ月間の記事一覧

『バーフバリ 王の凱旋』を観た。確かに凄い。なんというか、むやみなエネルギーがある。マッドマックスとはまた違う、制御しきれない器からあふれ出すようなパワーだ。 この映画はマトリックスから続く、アニメ、ゲーム、漫画文法の映画化という流れの先に…

意外と出来がいいぞ:映画『スクリーマーズ』

スクリーマーズ [DVD] 発売日: 2001/06/21 メディア: DVD フィリップ・K・ディックの短編「変種第二号」を原作とした1995年に公開された映画。監督はスキャナーズ2など(観たことない)クリスチャン・デュゲイ。主演はロボコップでおなじみのピーター・ウェ…

煙草と霧と放射能:島田荘司『ゴーグル男の怪』

ゴーグル男の怪 (新潮文庫) 作者: 島田荘司 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2018/02/28 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (1件) を見る とりあえず結論から言うと『ゴーグル男の怪』は幻想小説の傑作である。著者だから書き得た異形の幻想ミステリとい…

やみをみるめ

先日、復刊していた『八本脚の蝶』を手に入れることができ、少しづつ読んでいる。これは本で読みたかった。本になって、その遺された言葉たちをカタチとして手に触れる、その手触りを愛おしみながらページをめくる。 彼女は自分とはあまりにも違う人だ。その…

メイドインアビスを二巻まで読む。これ、もしかしてヤバイやつなんじゃ……。ものすごい細かい世界のディテールを作者が楽しみながら作ってるのがビンビンに伝わってきて、うわあ……という感じでその世界を楽しく覗き込んでいたわけですが、作者が隠し持ってい…

「ホワイダニット」嫌い

ちょっとミステリについて書いてみようかなーみたいな話。 ミステリ、というか本格、本格探偵小説についてのひとりごと。 突然ですが僕、フーダニット、ハウダニット、ホワイダニットとかいう言葉あんまり好きじゃないんですよ。僕も今まで使うことはあった…

鬼が夢見る帝国:孤島の鬼

『孤島の鬼』を久々に再読したんですが、やっぱ面白いですね。次々と移り変わっていくストーリーは、後ろを振り返らない、その場その場の展開の連続という感じなんですが、それがあれよあれよと、とんでもないところへ主人公が流されていく感じとうまくリン…