蒼ざめた犬

齧ったフィクション(物語)の記録。……恐らくは。

2019-10-01から1ヶ月間の記事一覧

ライミ印の笑えるホラー:映画『スペル』

サム・ライミ作品。『死霊のはらわた』を観れば分かるが、彼のホラーはきちんとしたホラー演出で驚きつつも観てるうちになんだかドツキ漫才というか、スプラスティックコメディめいた展開になっていき、ついには恐怖よりも笑いが先に来るようになるのだ。 こ…

あらすじって、正直書くのが一番メンドイ部分なのだが、たぶん一番読まれない部分だろう。しかし、何故か書かないと先に進めない気がして、わりとあらすじを書こうと頑張って、そして書きかけのモノがたまっていくのだ……。まあでも、そもそもあらすじを書く…

レオーネという西部劇の思いで。

マカロニ・ウエスタン、結構好きなんですよ。まあ、どのジャンルに対しても言えるんですが、マニア的な取り組みで臨んでいるわけではないので、半可通ではあるんですが、大学生のころに結構ハマって、観てたことがありました。 最初に観たのは、あの三大レオ…

怪奇とトリックが横溢する怪人賛歌:根本尚『怪奇探偵 写楽炎』

探偵小説、そんな言葉聞いて何を思い浮かべるでしょうか。怪奇色にあふれた血みどろの惨劇、異様な姿の怪人、大胆不敵なトリック、そしてそれらに敢然と立ち向かう名探偵。なんというか、江戸川乱歩的な風景を思い浮かべる人ならばぜひ読むべき漫画がありま…

喧騒と静寂、新しい時代と去りゆく者たち:映画『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ザ・ウェスト』

Once upon a time in the west――むかしむかし、西部で。 『ウエスタン』という邦題で親しまれてきたセルジオ・レオーネの一大叙事詩であります。そして今現在、そのオリジナル版が日本初公開で劇場にかかっているのです。一応、2時間45分版のそのオリジナル…

笑い者が世界を笑うまで:映画『JOKER』

とりあえず、迷っていたら観に行ってほしい。こんなにも笑い声が悲しい映画はそうない。 どこまでも孤独な人間が、ささやかだか自己を規定していたものを少しづつ削られてゆくさまは、別にこの映画に限ったことではなく、“いまここ”にある現実でもある。どこ…

君と僕であなたと私の物語:映画『HELLO WORLD』

『HELLO WORLD』観てきましたよ。イーガンでディックでマトリックスな青春ラブストーリーと言えばいいのか。結果としてはなかなか面白かったです。 とはいえ、やはりイーガンというか、この手の量子力学ガジェットSFは頭がこんがらがる。時間とか空間とか、…

ヘンはヘンだが楽しい:映画『サイン』

『ジョーカー』の予習というかなんというか、ホアキン・フェニックスの映画を観とくか、みたいな感じになり、いまさらというチョイスですが未見だったこれを観てみました。自分にとってホアキン・フェニックスは、『グラディエーター』のシスコン皇帝なんで…