蒼ざめた犬

齧ったフィクション(物語)の記録。……恐らくは。

その他

歪で不格好、しかし異様な熱がこもる怪作:『仮面ライダーBlack Sun』

妙な作品だ。PVのデモ描写から、ある程度予感はしていたが、それ以上に直截な形で現在の社会的な状況を次から次に放り込んでくる。風刺、というよりはわりとそのままを放り込んできてる感触の方が強い。ドイツの環境活動家を思わせる高校生の人権活動家のス…

島田荘司を読んだ昔、そして今。

今回は自分にとっての島田荘司ということについて語っていきたいというか、書き留めておきたい。というわけで好き勝手語っていきますよ。 島田荘司という巨大過ぎる作家の作品を私が読み始めたのは、新本格ミステリ、中でも二階堂黎人や有栖川有栖、法月綸太…

ここは、はるか遠くの国ではない:アンドレ・ジッド『ソヴィエト旅行記』

新たに作り直されたこの社会階級の上から下まで例外なく、最も評価されるのは、最も卑屈な者たち、最も迎合的なものたち、そして最も下劣な者たちである。 ソヴィエト旅行記 (光文社古典新訳文庫) 作者: アンドレジッド,Andr´e Gide,國分俊宏 出版社/メーカ…