蒼ざめた犬

齧ったフィクション(物語)の記録。……恐らくは。

2022-03-01から1ヶ月間の記事一覧

笹沢左保『突然の明日』感想

「いちばん恐ろしいのは、明日という日だな」 トクマの特選!による笹沢左保の名作発掘レーベル、有栖川有栖選 必読!Selectionの第三弾。平凡ともいえる家族の団欒にのぼった奇妙な人間消失の話。そして、そこから急直下、訪れる日常の崩壊。同じ明日が来る…

猥雑の中の哀切:嵯峨島昭『踊り子殺人事件』

※特にネタバレはしていないつもりです。 宇能鴻一郎という芥川賞作家にして著名なポルノ作家という存在を、ぼくは特に知らなかった。しかし、うすぼんやりとは意識するようにはなっていた。彼はミステリを書いていたからだ。そして、奇しくも彼が亡くなる直…