蒼ざめた犬

齧ったフィクション(物語)の記録。……恐らくは。

映画:ホラー

悪魔というか、鋏が怖え:映画『エクソシスト3』

毎年クリスマスにホラー映画観てるのだが、なんかだるいな~と、気がついたら寝てて、あっさり25日過ぎちゃったのだ。まあいいや。 そんな感じで、そういえばこれ観てなかったな、と次の日に観たのが『エクソシスト3』。結構前から観たかったのだが、レンタ…

映画『ゾンビーバー』

なんか毎年クリスマスにはホラー映画を観るようになっていて、今年はこいつにした。 『ゾンビーバー』。名前の通り、ビーバーがゾンビになって襲ってくる一発ネタみたいなゾンビ映画だ。ビーバーがゾンビ、という以外は特に特筆するようなところはない、田舎…

アレンジの巧さが光る:映画『ヒルコ/妖怪ハンター』

本作は、諸星大二郎の人気作の一つで、稗田礼次郎を狂言回しにした連作シリーズ、妖怪ハンターの「黒い探究者」「赤い唇」を下敷きにした映画化作品だ。 主演は沢田研二。監督はサイバーパンクで暴力と愛を世界にたたきつけた『鉄男』の塚本晋也。この映画は…

ゾンビの夜明け前:映画『ホラー・エクスプレス ゾンビ特急“地獄”行』

ゾンビ特急"地獄"行き(字幕版) クリストファー・リー Amazon Impression 今年のクリスマス、皆さんいかがお過ごしだろうか。私はいつもの通り一人でホラー映画を観ていた。定期的におかしくなる鼻のせいで(多分蓄膿)何を食べても異様なにおいがダイレク…

マイケルさん

ハロウィンの夜に観に行きました。『ハロウィン Kills』、自分を含めて五人くらい観てたかな。 ジョンカー・ペンターによる傑作から早40年余り。シリーズも今作で12作にのぼり、かなり息の長いシリーズとなっているわけですが、2018年にデヴィッド・ゴードン…

悪魔のドールハウス&箱庭:映画『ヘレディタリー/継承』&『ミッドサマー』

※軽くネタバレとか踏んでいると思うので、そのつもりで読んでください。 悪魔がドールハウスや箱庭を作っている。そこには一見、影や悪意の気配はしない。だが、普通とはどこか違う匂いが少しする。悪魔はそこに心が傾きそうな人形を入れ、その心を針でつつ…

あの夏、終わってしまった何かに:映画『Summer of 84』

閑静な郊外。そこには見知った穏やかな人々がいる――そういうことになっている。 しかし、誰もその心の裡を知りはしない。お互いが本心を見せたりはしない中、ふと疑いを抱くとき、そこを覗くことは何を招くのか。 この映画は、80年代のノスタルジックな、し…

ライミ印の笑えるホラー:映画『スペル』

サム・ライミ作品。『死霊のはらわた』を観れば分かるが、彼のホラーはきちんとしたホラー演出で驚きつつも観てるうちになんだかドツキ漫才というか、スプラスティックコメディめいた展開になっていき、ついには恐怖よりも笑いが先に来るようになるのだ。 こ…

生真面目でヘンな映画:映画『ヴィジット』

なんていうか、映画秘宝界隈でのシャマランへのアツい掌返し、というそーとー胡散臭い光景をしばしば目にする今日この頃。というわけでそういえばそんな監督いたな、という気分で久しぶりに手に取ったのです、M・ナイト・シャマラン監督作品というやつを。ま…

生真面目な幽霊譚の快作 映画『ザ・フォッグ』

ザ・フォッグ [Blu-ray] 出版社/メーカー: キングレコード 発売日: 2018/08/08 メディア: Blu-ray この商品を含むブログを見る 未視聴のジョン・カーペンター監督作で、残るは『ヴァンパイア最後の聖戦』とこれだったわけなんですが、積んでたDVDをついに観…

無音の中の音 映画『クワイエット・プレイス』

※ネタバレ前提で語ってます。 ホラーと音は密接な関係にあるといっていい。無音が何かが起こり得る予兆と緊張、そして実際に起こる何か。ホラー映画はその配分が出来を左右するが、優れたホラーはどちらかというとその無音の部分――何かが起きる予兆が怖かっ…

これで終わりなのか、カーペンター? :『ザ・ウォード監禁病棟』

ジョン・カーペンターの(今のところの)最新作。 記憶を失い、農家に火をつけたところで逮捕された少女、クリステンが送られたのは精神病院の監禁病棟。そこには彼女と同じくらいの少女たちが入れられていて、退院するのを待っている。そんな病棟の日々の中…

エロスとデスは兄弟 映画『イット・フォローズ』感想

デヴィッド・ロバート・ミッチェルというほとんど無名の映画監督と、キャスト、そして二百万ドルの低予算で作られたこの映画は、大した宣伝もなかったにもかかわらず興行収益二千万ドルをあげ、2014年のホラ―シーンの話題をさらった。 この映画は殺人鬼や悪…

『悪魔のいけにえ2』

同じ監督が同じ題材で続編を撮る。まあ、割とよくあるシチュだ。その場合、第一作の再演となるわけだが、それをどのように再演するのか。それが映画の形を決めるのかもしれない。 基本的に人気が出た作品の二作目は予算が増えるわけだし派手になる傾向がある…

恐怖に克て:映画『IT』

年を越してようやく観に行きましたよ。というか、ようやく観に行けたというべきか。 本作はスティーブン・キングによる傑作小説の二度目の映像化――その一番初めの映像化であるテレビミニシリーズ版を観たのは小学生の時でした。 父親と何の気はなしにぼんや…

まっかな終末:『吸血鬼ゴケミドロ』

私がクリスマスも終わろうとしていた深夜、何をしていたのだというと映画を観ていた。タイトルは『吸血鬼ゴケミドロ』。 例のごとく観なきゃなあ、と思いながら積んでいた映画の一つ。ようやく観ることができましたよサンタさん。 ゴケミドロの話はシンプル…

バラエティなホラーとして

そう言えばちょっと前に『パラノーマル・アクティビティ』をようやく観たんですよ。ほとんど個人で作ったような超低予算映画で大ヒットしたというアレです。まあほんと今さらですね。 警察が押収したビデオテープ――そこには死亡した持ち主が遭遇した怪現象が…

夏の夜に怖い映画を~観るはずだった夜 『エクソシスト2』という怪現象

夏の夜なんだし、怖い映画を観たいな~と、『エクソシスト2』を観ました。 そして視聴後…… ………………とりあえず、このAAを貼りたくなりました。 ホント、どうしてこうなった……何とか言ってよブアマン! いや、監督があの「ザルドス」のブアマン、という時点で…