蒼ざめた犬

齧ったフィクション(物語)の記録。……恐らくは。

2020-01-01から1ヶ月間の記事一覧

富士見ミステリー文庫の隠れた良作:舞阪洸『亜是流城館の殺人―御手洗学園高等部実践ミステリ倶楽部』

かつて富士見文庫にはラノベのミステリーレーベルという存在があった。富士見ミステリー文庫。自由な形で様々な快作珍作含めたライトノベルミステリが生まれ、そして消えていった。そんななかで、本格ミステリとしての結構を備えた作品も多数刊行されていた…

島田荘司:御手洗シリーズ作品紹介 その1

一応、今のところ御手洗潔シリーズは、ほぼほぼ全部読んでると思うので、その登場作品を出来る限りというか、根気が続く限り刊行順で紹介していこうかと。まあ、マニアながっつり批評みたいなのはムリなので、軽いファンの思い出話まじりの紹介文です。……ま…

誰かの物語が私という物語を作る:エリック・マコーマック『パラダイス・モーテル』

初マコーマック。全編これ奇譚という感じのエピソードが横溢していて、とても良かった。そして物語というものを巡る物語というか、そんな構造の物語であり、それが急に雲散霧消してしまうその作者の騙りというか、書きぶりにも唸らされる作品でした。 なんと…

学生アリスシリーズの思いで。

そういえば、有栖川有栖の学生アリスシリーズについて少し語りたい。 中学から高校にかけてのことだったと思う。当時探偵小説に飢えていた。小学生の時に乱歩に出会って、探偵小説にのめりこんでいたわけだけど、ホームズ、ルブラン、ヴァンダインの『カブト…

消えないニオイ:映画『パラサイト 半地下の家族』

『パラサイト 半地下の家族』を観てきたので、とりあえずその感想を。ちょっと内容に触れたりするので、観てない人は観てから読んでください。あらすじは略。 なんていうか、キツイ映画だった。別に面白くないというわけではない。映画としてはとても面白い…

なんだかんだで二〇一九年も終わり、この感想文やら雑文やらの集合体も三年近く続きました。とりあえず百記事書けたらということで始めて何とか書き切りましたし、二百くらいいったら終わってもいいんじゃないかと思ってたりしてますが、とりあえず何らかの…