蒼ざめた犬

齧ったフィクション(物語)の記録。……恐らくは。

ウマ娘 プリティーダービー Season2 第七話『祝福の名前』感想

あらすじ 怪我から復帰し、その復帰戦である大阪杯を難なく一位で終えたマックイーン。彼女が次に目指すのは再び春の天皇賞、その三連覇だ。それに向けて人々の期待も高まるスタンドの中、一人のウマ娘が次の春の天皇賞を辞退しようとしていた。彼女の名はラ…

ウマ娘 プリティーダービー Season2 第六話「なんのために」感想

あらすじ 春の天皇賞、マックイーンに負けたテイオーは、結果として無敗の夢が破れ、三冠とともに当初の目標を失ってしまった。会長――ルドルフのようにはもうなれない。どこか気の抜けたテイオーはその後のレースも身が入らず、有馬記念は11着と惨敗してし…

ウマ娘 プリティーダービー Season2 第五話『無敗と連覇』感想

あらすじ ついにTM対決の春の天皇賞がやってきた。このレースのためにそれぞれ弱点を克服すべく練習に励んできた二人。無敗のテイオーか、それともマックイーンが二連覇を果たすのか、世間の盛り上がりも最高潮に達するなか、トレーナーの顔はすぐれない。ど…

ウマ娘 プリティーダービー Season2 第四話「TM対決」感想

あらすじ マックイーンに続き、テイオーも大阪杯を余裕の走りで快勝。春の天皇賞に向けて、二人はトレーナーから課されたそれぞれの練習をこなす。そんななか、テイオーに続き、無敗で三冠ウマ娘に挑戦する新たなウマ娘が。彼女の名は、ミホノブルボン。短距…

読書に飽きた時とか、なに読もうか迷ってる時、そして、何より何をどういうふうに書いたらいいのか迷った時、僕は大抵、伊藤計劃の映画時評集や伊藤計劃記録を読み返す。なので、彼の書いた小説よりも読み返している。 なんというか、すごく好きなのだ。たぶ…

ウマ娘 プリティーダービー Season2 第三話『出会い』感想

第三話は、怪我が癒え、無敗を目指すテイオーとそのライバルであるメジロマックイーンの出会い、そして来たる春の天皇賞対決に向けて、まずはメジロマックイーンの前哨戦である大阪大賞典のレースが描かれました。 しかし、冒頭から、テイオーが部屋の「目指…

ウマ娘 プリティーダービー Season2 第二話『譲れないから!』感想

なんてことだ……。どこか不穏な影がちらつく第一話で、緊張して臨んではいた。しかし、ここまでのものがはやくも二話で展開されるとは。第一期も確かに、「泣ける」シーンや展開はあったけど、実際に泣いてしまったのは今回が初めてですね。というか、まった…

自分が尊敬していた人が死ぬよりも先に遠くに行ってしまうことがある。私はそれを島田荘司という人によって味わうことになるとは夢にも思わなかった。彼が6日のトランプ支持者が連邦議会を襲うという、民主主義そのものへの挑戦を、自由への狼煙であると言わ…

ウマ娘 プリティーダービー Season 2 第一話「トウカイテイオー」感想

ついに始まりましたね。何が? ウマ娘プリティーダービーに決まってるだろーが! 1月4日に始まった第一話、私は第一話再生マシーンと化し、Twitterで感想をあさり続けることで一日をつぶしました。正直、自分でもなんでそこまでやってしまうのかよくわかりま…

とりあえず、なんだかんだで一年が過ぎた。 やろうと思っていたことは、特に達成できずに終わった。 悲しいことだが、いつものことだ。 このブログの更新も、かなり停滞している。なんというか、パソコンを開いても文章を書くということは、難しいものだな、…

羅小黒戦記とプロパガンダ。あとデカダンスとか。

※アニメ羅小黒戦記とデカダンスについてネタバレをしつつ語っていくのでそのつもりで。 中国アニメのヒット作、羅小黒戦記について、そのプロパガンダ性の有無が少し前にちょっとした話題になっていた。要するに中国国内のウイグルをはじめとした少数部族問…

欲望という名の魔法:ジャスパー・フォード『最後の竜殺し』

久々に面白いというか、好きな世界設定のファンタジーを読んだ気がする。 魔法があり、魔術師がいてドラゴンがいるという古典的な要素を現代的な世界に持ち込んでいるのだが、それらが上位の存在として社会に君臨しているのではなく、衰退したものとして過…

ウマ娘 プリティーダービーのシーズン2が間近ということで。

昨日の十九日、TVアニメ『ウマ娘 プリティーダービー』の第二期の放送日が一月四日と発表され、意外な早さにめちゃめちゃ興奮してます。やったぜ。アニメの二期って楽しみにすることあんまりないんですが(ああ、けものフレンズ……)、この作品はとても楽しみ…

東川篤哉の青春ミステリ――バカで、愉快で、しょーもない。

青春ミステリ、と云うと、とにかく苦いとか、甘酸っぱいとかそういうイメージで語られたり、またそういう思春期の感傷を含有したものがジャンルとしての特徴であるという認識が共有されている。そしていかにそれらがエモーショナルな形で描かれ、読者に青春…

どうでもいいはなし

最近、なんかブログの更新が滞っているわけだが、時間がないとかいうわけではなく、どうも書けない。気分が乗らないというのもあるが、毎回まっさらな画面を埋めていくその難易度が変わらないというのがある。やり始めた当初、百記事くらい書いたら、それな…

シンデレラグレイの感想その4、みたいな。

またちょっと溜まっていたシンデレラグレイの7話から10話までのあらすじを含んだ感想を。 第7R「ジュニアクラウン」 次にオグリが挑むのは準重賞レースである「ジュニアクラウン」。そしてそこには再びフジマサマーチの姿が。二度目の激突は、前回の雪辱と…

透明な人間たち:映画『透明人間』

久しぶりに映画館に行ってきた。『透明人間』といえば、ウェルズ……というよりバーホーベンの『インビジブル』が強烈に刻まれている自分。なので透明人間と言えば古典的な、包帯をとっていくと何もない! というヴィジュアル以上に、フリチン男(ケヴィン・ベ…

シンデレラグレイの感想その3、みたいなもの。

ちょっと滞っていたシンデレラグレイの感想を6話まで。 三話「信じていいかも」で、トレーナーの北原、そして四話の「今度は勝つ」でベルノライトの関係性というか、それぞれの役割のようなものが生まれる形になりました。北原はトレーナーとして走る技術を…

シンデレラグレイの感想その2、みたいなもの。

『ウマ娘 シンデレラグレイ』の第二話を読む。 北原にスカウトされ、オグリキャップはレースに出ることになる。東海ダービーについて熱く語る北原にオグリは短く答える。「私をレースに出して」 扉ページに据えられた言葉は、“まだ見据える先もない”。彼女の…

シンデレラグレイの感想その1、みたいな。

久しぶりにヤンジャンを買った(というか、漫画雑誌を買うのはウン十年ぶり)。何のためにって、『ウマ娘 シンデレラグレイ』のためにである。 ウマ娘はまあ、今のところサイゲームスの開発中であるアプリのメディアミックスとして出たP.A.WORKSによるアニメ…

寂しさが冷たく発火する:島田荘司『火刑都市』

島田荘司作品の中にあって、かなり地味な地位にあると思われる本作。著者の二枚看板である御手洗シリーズや吉敷シリーズではないノンシリーズものではあるが、主人公は吉敷シリーズでたびたび出てくる中村吉造が務めている。 この小説は島田荘司の社会派的な…

またそこそこミステリを読んだので、感想をバーッとあげていこうかと。 四捨五入殺人事件 (新潮文庫) 作者:ひさし, 井上 メディア: 文庫 今現在『十二人への手紙』が再ブレイク中の井上ひさしによる長編ミステリ。二人の作家が招かれた温泉宿で起きる奇妙な…

名探偵の行き先:エラリー・クイーン『第八の日』

『第八の日』は、自分の衝撃を与えたミステリ10選として過去挙げていた作品だ。 kamiyamautou.hatenablog.com そして、最近、『ミッドサマー』を観て、なんかちょっと似たようなところあるな、みたいな気がしたので、なんか記事のネタになるかもしんねえ……と…

そのわけは天の上に:映画『明日、君がいない』

ツイッターの相互フォロワーである青さん@8823_blue が、御自身のブログ『偽物の映画館』で紹介されていた映画に興味を持ち、観てみました。 映画のタイトルは『明日、きみがいない』(原題は『2:37』)。監督は ムラーリ・K・タルリ。 青さんの紹介記事はこ…

『バーナード嬢曰く。』の五巻が発売されたので、先日読んだ。四巻から二年ぶりということだが、町田さわ子は相変わらず本を読んでいて、自分の二年の停滞ぶりを思うと、なんだかその姿は眩しい。 今回もとても素晴らしく、彼らと本の風景は、巻を重ねるごと…

細切れにされてゆく「わたしたち」

最近、色んな積読をペラペラ見ては次に移るという感じで、なかなか一冊を読み切ることができないでいる。なんというか、無気力感もすごい。文字を追うのが酷く億劫でしかたがない。 例のウイルスの影響は、地方の都市にも確実に忍び寄ってきていて、相変わら…

モノトーンの幻影:ブッツァーティ『神を見た犬』

つまり、私たちが書き続ける小説や、画家が描く絵、音楽家が作る曲といった、きみの言う理解しがたく無益な、狂気の産物こそが、人類の到達点をしるすものであることに変わりなく、まぎれもない旗印なんだ。 このうえもなく無益だろうとかまわない。いや、む…

王と神:浅倉秋成『教室が、ひとりになるまで』

私が目指したのは、教室を一つにすることではなく、教室をひとりにすること。 素晴らしい作品であり、青春物語だった。 帯に書いてある通り、“最高”のクラスを巡る物語だ。主人公のいるA組と隣のB組、二つの教室は合同で様々なレクレーション企画を催し、そ…

悪魔のドールハウス&箱庭:映画『ヘレディタリー/継承』&『ミッドサマー』

※軽くネタバレとか踏んでいると思うので、そのつもりで読んでください。 悪魔がドールハウスや箱庭を作っている。そこには一見、影や悪意の気配はしない。だが、普通とはどこか違う匂いが少しする。悪魔はそこに心が傾きそうな人形を入れ、その心を針でつつ…

ここ最近読んだミステリの感想をざっと上げていこうかな、と。結構避けがちなミステリ感想ですが、そこそこ読んでて、感想書いてないのが溜まってきたので。まあ、軽く触れる程度に。 電氣人閒の虞 (光文社文庫) 作者:詠坂 雄二 出版社/メーカー: 光文社 発…