蒼ざめた犬

齧ったフィクション(物語)の記録。……恐らくは。

2022-04-01から1ヶ月間の記事一覧

ミステリ感想まとめ6

読んで感想がなかなか書けないわけで、結構たまっていた感想をなんとかまとめてがさっと。そもそもがテーマだ切り口だと気を張るから書けなくなるわけで、そんなの気にせずにとりあえず思ったこと短く書けばいいとは思う。 模倣の殺意 (創元推理文庫) 作者:…

西澤保彦『幻視時代』

幻視時代 (中公文庫) 作者:西澤保彦 中央公論新社 Amazon 西澤保彦の真骨頂といえば、その意外な構図を明らかにする論理性、そして本書の解説で大矢博子氏が述べているように、動機ということになる。特に、西澤作品の動機は、犯人を始めとした人間の負の側…

マイケル・イネス『ある詩人への挽歌』

ある詩人への挽歌 (創元推理文庫 M イ 1-2) 作者:マイケル・イネス 東京創元社 Amazon マイケル・イネスといえば、ニコラス・ブレイクやヘレン・マクロイなんかと一緒にカーやクリスティ、クイーンの後継世代みたいな感じで、新本格とかつて言われていて、そ…

都市より生まれし者たち:映画『THE BATTMAN』

ちょっといまさら感あるけど、ようやく書けたので。 ※時間たってるし、観てる人は観てるだろうから――ちょっとネタバレありな感じです。 『THE BATTMAN』――『ザ・バットマン』は、スーパーマンに並ぶアメリカ最古参のヒーローの一人であるバットマンの新たな…

アレンジの巧さが光る:映画『ヒルコ/妖怪ハンター』

本作は、諸星大二郎の人気作の一つで、稗田礼次郎を狂言回しにした連作シリーズ、妖怪ハンターの「黒い探究者」「赤い唇」を下敷きにした映画化作品だ。 主演は沢田研二。監督はサイバーパンクで暴力と愛を世界にたたきつけた『鉄男』の塚本晋也。この映画は…

書きかけのなにか。

改訂完全版 暗闇坂の人喰いの木 (講談社文庫) 作者:島田荘司 講談社 Amazon 『水晶のピラミッド』や『アトポス』を再読する余力がないし、その他諸々でたぶん書かないと思うので。もしかしたら、『魔人の遊戯』『ネジ式ザゼツキー』『摩天楼の怪人』について…