蒼ざめた犬

齧ったフィクション(物語)の記録。……恐らくは。

2019-08-01から1ヶ月間の記事一覧

島田荘司『セント・ニコラスの、ダイヤモンドの靴』

セント・ニコラスの、ダイヤモンドの靴: 名探偵 御手洗潔 (新潮文庫nex) なんとなく再読してみようと手に取って、なんだかあっという間に読んでしまいました。御手洗シリーズといえばの強烈で奇天烈な謎、というものではありませんが、奇妙な発端から、次…

詩野うら『偽史山人伝』

偽史山人伝 (ビームコミックス) 『有害無罪玩具』に続く作品第二集。こちらも著者が自身のサイト「チラシのウラ漫画」で公開していた作品+書下ろしとなっています。今回は、日常に挿入される非日常な風景というか存在を語りつつ、そのことについての認識論的…

十階堂一系『赤村崎葵子の分析はデタラメ』

赤村崎葵子の分析はデタラメ (電撃文庫) 作者: 十階堂一系 出版社/メーカー: KADOKAWA 発売日: 2015/02/07 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る 日常ミステリで多重解決ものとして挙げられていたのを目にして、手に取ってみました。これはかなり…

アニメ『押絵ト旅スル男』

ここ連日めちゃくちゃ暑いですね。アツいアついあつい……白くとんだ視界、ゆらゆら揺れるは蜃気楼……というわけで「押絵と旅する男」について、ではなくアニメ作品の『押絵ト旅スル男』についてです。(なんかえらい無理矢理な導入ですが、日常的なフリから入…

島田荘司を読んだ昔、そして今。

今回は自分にとっての島田荘司ということについて語っていきたいというか、書き留めておきたい。というわけで好き勝手語っていきますよ。 島田荘司という巨大過ぎる作家の作品を私が読み始めたのは、新本格ミステリ、中でも二階堂黎人や有栖川有栖、法月綸太…

久しぶりに、このブログの初めになに書いたのか見てみたんですけど、(感想は)主にミステリーについて、になると思いますとか嘘書いていたのでちょっと笑いました。ミステリは……なんか感想書きにくいというか……一応、最初は別のところで書いてたんですけど…

自ら踏み越えようとする人間の深淵:『ザ・バニシング―消失―』

ザ・バニシング-消失- [Blu-ray] 発売日: 2020/08/05 メディア: Blu-ray 1988年に公開された本作は、その評価とは裏腹に長らく日本で劇場公開されないまま、キューブリックが震撼したという言葉とともに、ちょっとした伝説の映画として、映画ファンの間で語…