蒼ざめた犬

齧ったフィクション(物語)の記録。……恐らくは。

2023-02-01から1ヶ月間の記事一覧

映画『アフリカン・カンフー・ナチス』

『アフリカン・カンフー・ナチス』。一部で話題になっていたやつだがようやくレンタルして観た。アフリカでカンフーでナチスというボンクラな三題噺みたいなタイトルだが、まあ、そのとおりなボンクラ具合である。 ドイツから落ち延びたヒトラーとゲーリング…

倉知 淳『大雑把かつあやふやな怪盗の予告状』

安穏としたデスクワークを目指し、難関の公務員試験を突破したはずの木島壮介が配属されたのは警察庁特殊例外事案専従捜査課という、聞き覚えのない部署だった。そこは、警察の捜査では手に負えない例外的な事件を外部の民間人を招聘して解決にあたる特殊な…

今邑 彩『時鐘館の殺人』

時鐘館の殺人 (中公文庫) 作者:今邑彩 中央公論新社 Amazon ガチガチの本格というわけではないが、ミステリを基調に、ニューロティックスリラー、SFファンタジー、奇妙な味、といった今邑 彩のエッセンスが詰まった短編集と言っていいだろう。それぞれ異なっ…

泡坂妻夫『ダイヤル7をまわす時』

ダイヤル7をまわす時 (創元推理文庫) 作者:泡坂 妻夫 東京創元社 Amazon 著者といえばの逆説的な推理法もあるにはあるが、メインどころでガツンと来るよりは、サブに回っていい味を演出する方向性で、比較的、正攻法な手法で作られたミステリが多い。どれも…