蒼ざめた犬

齧ったフィクション(物語)の記録。……恐らくは。

2019-03-01から1ヶ月間の記事一覧

そういえば、前回、じゃなくて前々回の記事で100投稿ということでした。まあ、こんな感じの雑文なんかも割かしあるので、厳密には違うかもしれませんが、なんだかんだで切りのいいとこまで続けられたということで。 それにしても、何というか一向に楽になら…

本当のプロパガンダは「怖く」ない:映画『NO』

NO (ノー) [DVD] 出版社/メーカー: オデッサ・エンタテインメント 発売日: 2015/04/02 メディア: DVD この商品を含むブログ (6件) を見る プロパガンダ。その言葉で何が思い浮かぶだろうか。いかめしい指導者の肖像画やポスターが学校を始めとする公共施…

世界はゆるく繋がっている:道満晴明『メランコリア』上・下

メランコリア 上 (ヤングジャンプコミックス) 作者: 道満晴明 出版社/メーカー: 集英社 発売日: 2018/03/19 メディア: コミック この商品を含むブログ (3件) を見る メランコリア 下 (ヤングジャンプコミックス) 作者: 道満晴明 出版社/メーカー: 集英社 発…

食べる孤独な姿にほっとする:施川ユウキ『鬱ごはん 3』

鬱ごはん(3) (ヤングチャンピオン烈コミックス) 作者: 施川ユウキ 出版社/メーカー: 秋田書店 発売日: 2019/03/19 メディア: コミック この商品を含むブログを見る この世には食べ物についての漫画があふれている。おいしいものを食べることの喜び、それを多…

ケムリクサの11話にびっくりしたので、思わずこんな文章を書きなぐってしまった。一応、ネタバレは極力避けてますが、未視聴なら今すぐ観てください。 ケムリクサが11話でその全容が明らかになったことで、『けものフレンズ』の再来みたいになってきましたね…

暗くてしんどいよ:映画『湿地』

“社会派ミステリ”ってやつの褒め方って、結構聞いてるとイラっとしません? 私はめちゃくちゃイラっとします。これぞ読み応えのある小説とか、重厚とかやたら言ってきて、だからなんだよ、みたいな。重々しければ小説としての価値が保証されるのでしょうかね…

詩野うら『有害無罪玩具』

有害無罪玩具 (ビームコミックス) 作者: 詩野うら 出版社/メーカー: KADOKAWA 発売日: 2019/02/12 メディア: コミック この商品を含むブログを見る これは、著者が2016年からWebに公開していた長編漫画のうち、表題作を含めた三本と最後の書下ろしである『盆…

透明感のある幻想:オブライエン『不思議屋/ダイヤモンドのレンズ』

不思議屋/ダイヤモンドのレンズ (光文社古典新訳文庫) 作者: オブライエン 出版社/メーカー: 光文社 発売日: 2014/11/21 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る フィッツ・ジェイムズ・オブライエン。彼はなかなか破天荒な一生を送った作家で、ア…

好きだからこそ闘う:山口つばさ『ブルーピリオド』

ブルーピリオド(1) (アフタヌーンコミックス) 作者: 山口つばさ 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2017/12/22 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る 今かなり来てる漫画というか、いいよと言われることが多くなってきたので読んだらヤバかった…

幻想は地べたを這いずり始まりを目指す 映画『ガルム・ウォーズ』

久しぶりに観たんで。あ、一応ネタバレで語るので注意です。 『ガルム戦記』――プロジェクト『G.R.M』。押井ファン、特に長年のファンには思い入れがあるタイトルだろう。そのパイロットフィルムを見て、日本がハリウッドを凌駕するSF超大作を世界に問う「幻…