蒼ざめた犬

齧ったフィクション(物語)の記録。……恐らくは。

 突然だが、私は英語が苦手だ。こいつさえなければ受験戦争をそれなりの形で突破できたかもしれないのにと思うと憎さしかない。こいつが厄介なのは、文系だろうが理系だろうが回避できないというところで、他は選択で回避できる可能性があるのにこいつはどこ行ってもついてきやがるのである。全く意味不明だ。

 自分はもともと理系で進んでいて、数学がついていけずに文転することになるのだが、そこでも苦手なこいつに色々と煮え湯を飲まされ続けることになる。

 当時の自分の武器は国語、生物、世界史であり、こいつらだけだったら偏差値65~70行くことも不可能じゃなかった。しかし、この英語という奴が箸にも棒にも引っかからない体たらくで、勉強時間をやたらとる割にはちっとも伸びない。こいつの点数が他と同じくらいあったら乱歩の母校に潜り込めたと思う……などと今さら言ってもせんのないことだが(まあ、だとしても学生ローン背負い込むことになっただろうが)。

 しかし、そんな英語が今でもだらだら勉強している唯一といっていい存在となってしまうとは、何とも言えないものだ。とはいえ、全然成果は上がらない。英検2級に挑戦してみたが、一次は通ったものの、面接が全て落ち、結局とることはできなかったし、TOEICの点数も悲惨なものである。というか、きちんとテキストを最初から最後まで通すことができないのだ。何度やっても途中で挫折する。

 そして今、またもやだらだらと手に取っているのが『基本文法から学ぶ英語リーディング教本』なのだが、こいつはなかなかすごい教本で本当に一から原理原則を叩き込んでくる。学生時代になんとな~くで済ませていた品詞から、え、そうなの、みたいなことの連続だった(まあ、不勉強が過ぎるわけだが)。そして、それゆえに、ものすごくこちらの頭を締め付けてくる。それはもうギリギリと。正直挫折しているというか、一年経ってるのに「完了形」までしか進めず、半分も進めていない。

 ただ、なんというか、初めてこれさえやってけばいいという半ば確信めいたものを感じさせるテキストなので、挫折しては最初からテキストを開くことを繰り返し、今度もまたじりじり再開している。

 まあ、学生時代と違うのは、受験というゴールがないことだ。差し迫った期限がないことは一つの救いでもある。大げさに言えば死ぬまでにできればいいのだから。そんなことを言いつつ、結局ものにならないということも大いにありうるが、まあ、もはや腐れ縁のようなものになりつつある大嫌いなこいつとだらだら付き合っていこうかと思う。

 負けっぱなしはやはり、癪に障るのだ。