蒼ざめた犬

齧ったフィクション(物語)の記録。……恐らくは。

インディー・ジョーンズ シリーズという、最高の乗りもの乗り継ぎ映画

 今年の6月に新作が公開されるし、なんかインディー・ジョーンズのシリーズを観返したくなって、4作観返してみた。

 昔から結構好きで、テレビのロードショーで何度も観たし、「クリスタルスカル」は公開されてすぐ観に行った。一応、映画で観るのは「クリスタルスカル」が最初な世代ではある。個人的に観に行った「クリスタルスカル」が一番微妙な評価ではあったのだが、今回観返してみるとそうそう悪いものではない気はしてきた。というか、シリーズ的には水準作なんじゃないだろうか。

 観返した個人的な評価としては「最後の聖戦」≒「失われたアーク」>「魔宮の伝説」≒「クリスタルスカルの王国」くらいな感じだ。どれもそこまで差はない。

 ただ、ちょっと差がついてるのは個人的な映画内での“乗り物”の面白さによる。

 インディージョーンズの面白さはどこにあるのだろう? ジョーンズ一行が訪れるエキゾチックな街並みや遺跡のたたずまいだろうか? もしくは遺跡に仕掛けられたトラップの数々と、それらを謎解きしながらかいくぐっていく緊張感だろうか? 私はこのシリーズの面白さの本質は「乗り物」であると答える。さらに言うなら、次々と出てくる「乗り物」を乗り継いでいく形で展開されていくアクションの数々がこのインディージョーンズという映画の核をなしている。

 シリーズにはとにかく乗り物が出てくる。バイクや車をはじめ、船、列車、飛行機に飛行船、さらに潜水艦や戦車と枚挙にいとまがないくらい。それらをインディは次々と乗り継いでいく。そのスピィーディーさこそがこの映画を面白くしているところなのだ。そして、バランスが一番いいのがやはり「失われたアーク」とそのアップデート版っぽい「最後の聖戦」となる。ただ、「魔宮の伝説」は乗り物の種類と乗り継ぎ感は薄いが、序盤の車→飛行機→ゴムボートという展開の矢継ぎばやな面白さはシリーズ随一なところがあり、また終盤のトロッコはいつみても最高(ただ、中盤の魔宮地下でのあれこれは若干個人的には退屈なところがある)。一方で「クリスタルスカル」は結構「アーク」「聖戦」を踏襲した乗り物の乗り継ぎ構成ではあるのだが、出てくる乗り物にインパクトが薄いのと「乗り継ぎ」のキレが個人的にはイマイチなところがある。

 あと、「聖戦」が一番好きなのは最後に四人で馬に乗って去っていくという、最後の最後まで「乗り物」映画していたところだと思う。個人的にはそこもポイントが高い。

 なんというか、インディフォロワーがイマイチ本家越えできない要因って、「乗り物」への異様なこだわり(たぶんルーカスのだろうけど)とそれを使い捨てるようにして乗り継いでいくことの欠如が要因の一つだったりするんじゃないだろうか。ワンシーンワンシーンで個人ですごいアクションをするという以上に、様々な乗り物を乗り継いで冒険していく、それこそがこのシリーズが持つ本質的な面白さなんじゃないのか、というか、乗り物を乗り継いで矢つぎ早に移り変わっていく展開そのものにあるのかもしれない。今回観返してみて、改めてそう思った次第でした。