蒼ざめた犬

齧ったフィクション(物語)の記録。……恐らくは。

夜のコトバ

誰かが奏でた音が夜に響く

 

 最近やたらとhigmaの「ナイトレコード」(Vocal / 沖石 )を聴いている。


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 G子氏による深夜の空気感が凝縮されたアニメーションも素晴らしく、それも含めて最近のお気に入りというか、夜の作業のお供になっている。

 深夜、一人でパソコンに向かっている時間。特に作業が進まなくても、その静かに流れる時間に浸っていること自体は悪くない。

 SNSのせわしない言葉の流れの中に身を浸すことも悪くはなかったが、やはり最近は辟易することが多い。twitterのフォロワーの言葉とそれから出会う本や映画といったものはこれからも大切なものであり続けるとは思うのだが、それ以上に思わぬところから飛んでくる出来事やそれに付随する言葉の感情的な流れについていくのが疲れている。

 その分、夜に音楽を聴きながらじっと考えている時間が心地よくなっている気はする。じっと考えたところで、素晴らしい思考が、なんてことはないのだが、なんというか、SNSの昼間的な雑踏行きかう言葉の流れから離れて、自分の時間に潜り込みつつ、誰かのブログを読んだり、自分のブログの文章に呻吟したりするだけでもいい。

 今更ながらだが、ブログの距離感は悪くない。人のを読むのもSNSと違ってある意味、自分主体で本を読むような感じに近く、その人の言葉がより響いてくる気がするし、意識しながら自分の言葉を探しているとセッションしているような気分になる。まあ、実のところ音楽はからきしだが。

 それはともかく、深夜にこの曲を聴きながら何かを書いていると、そういう、ふと深夜の部屋にともる明かりを見つけるような心地で、自分と同じような人の存在を感じ、その誰かの言葉を想像しながら、私もまたつたない言葉を夜の中へ流し、それらが響きあうことを願うような気持になるのだ。