蒼ざめた犬

齧ったフィクション(物語)の記録。……恐らくは。

シンデレラグレイの感想その2、みたいなもの。

 『ウマ娘 シンデレラグレイ』の第二話を読む。

 北原にスカウトされ、オグリキャップはレースに出ることになる。東海ダービーについて熱く語る北原にオグリは短く答える。「私をレースに出して」

 扉ページに据えられた言葉は、“まだ見据える先もない”。彼女の目的はまずレースに出ることだ。

 アニメのウマ娘の主人公スペシャルウィークには初めから夢があった。“日本一のウマ娘”。母親から贈られたそれを、自分自身の意志で夢としたスペシャルウィークとは違い、オグリキャップにはそれがまだなく、この漫画はまずトレーナーの夢が先にある。

 現実のモデル馬のことを考えると、誰かの夢に翻弄されていくというのが序盤のカサマツ編における一つの物語の流れを形作るのかもしれない。事実と照らし合わせれば、トレーナの夢を振り切って、自身の夢を設定する形になるのかと思ったりもするが、もちろんあくまで勝手な予想にすぎない。

 オグリはベルノになぜそんなに走るのかと問われて、走れるから、と返す。自分は立って走れるだけで奇跡であり、だからすごく嬉しい。走れるから走る。彼女の根源的な走る理由はそれであり、恐らく事実における無茶なローテーションにつながっていく発言かもしれない。

 走れるから走る少女が、自分の夢を抱く話となるのか、それともそのまま突っ走ってゆくのか、そういう所も注目して読んでいきたい。あと、アプリのライブ要素は描かれるのかそれとも無視されるのか。

 また、今回はオグリキャップの何考えてるか分からないキャラながらも、お母さんが大好きだったり、その時の表情が可愛らしかったりと少し普段とのギャップが見えてきたところ。していなかった頭の髪飾りは、母親の現役時代のものという設定が明かされ、母娘の絆として二話目で装着――公式イラスト完全体に。

 そして、序盤のライバルとしてフジマサマーチ(モデル:トウショウマーチ)がクローズアップされ、いよいよその因縁が始まろうとするところ、その最初のレースで今回は終了。第三話も気になる所だ。