ヒーロー映画。ここでは邦画以外のアメリカンコミックを中心としたヒーロー映画、いわゆるスーパーヒーロー物、そのなかで自分が好きな映画を挙げてみたい。
まあ、実のところここ最近はマーベルを中心としたスーパーヒーロー映画ってやつには食傷気味というか、なんか馴染めないものを感じつつあるので、自分の好きなヒーロー映画ってなんだっけ、みたいな感じで振り返ろうかなーみたいな。
まずはこれ
ティム・バートン版の第一作。バットマンは自分にとって結構なじみ深い。アメリカにいた3歳くらいの時にテレビ版のバットマンを観てたことがあって、あの黒パンツのバットマンに緑パンツのロビンは目に焼き付いている。あとなんかみょーにエロい感じがしたのも憶えている。人形も持ってた。バックルを引っ張ると糸が出てきて巻き取るやつ。
まあそれはともかく、これと『バットマン・リターンズ』が自分のバットマンの原点的なものがありますね。バートン的な過剰なメルヘンさで悪夢のように装飾されたゴッサムシティ。私はこの映画によってバットマンをゴッサムという都市で刻まれた感があります。
ジャック・ニコルソンのジョーカーも存在感を放っていますが、マイケル・キートンも負けていません。どちらも変人、狂人、という雰囲気をたっぷり纏っていてゴッサムの街に溶け込んでいます。
これも外せませんね。一作目のヒットを受け、増した裁量権をバートンが悪用(笑)してよりダークでよりグロテスクな悪夢を観客に見せつけます。一作目で割と一般的に受ける王道を作ってから二作目で好き放題するのは押井守に通じるものがありますね(そうか?)
フリークスたちの悲しみを描きつつ、彼らがつぶし合う異形どものクリスマス。
しかし、キャットウーマンもペンギンもその孤独な姿が何とも胸を打ちますね。バットマンに敗北して仲間たちにさらっと見捨てられるペンギンの姿はとても悲しい。
あとバットモービルが超カッコイイ。サーカス団風のペンギン配下との戦闘シーンも必見ですね。
次もまたバットマンですよ。しかし、このBDのジャケット、バットマンがいない……というか、バットマンは添え物でヒース・レジャーのジョーカーの映画といって過言ではないでしょう。個人的に、ノーランバットマンはこの作品以外は全然ダメなので、やっぱヒースの映画という思いが強い。
悪のカリスマというか、もはや悪魔そのものといったジョーカーはひたすらバットマンを、観客を笑いのめす。画面に映っているのは純粋な狂気。ひたすら見せつけられる悪意に、ここで示されるフェリーの乗客の“善意”もまた、どこかちゃちなオモチャっぽく思えてくる。そんな劇物のような作品。
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マーベルの映画だと、これが一番好きですね(まあ、全部観てるというわけではないのですが)。ヒーローの晩年、それは西部劇。西部劇好きってのもあるかもしれませんが、でもやっぱり西部劇ですよこれは。完全に他のX-メンの映画世界とは違う、滅びに向かうミュータントの老人は、その命を賭して新しい世代のミュータントを守る。ヒーローの墓標のような映画。
ウルヴァリンはその爪ゆえにスプラッタな存在だけど、これまでは配慮してそれを封じてた部分がありましたが、この映画ではそのリミッターを解除。結構なゴア描写が遠慮なくぶちまけられています。血を浴びるヒーロー、それこそがウルヴァリン――ローガンなんですね。
最後はこれ。スーパーヒーロー物かと言われると、まあちょっと違うんですが。まあでも、金がないバットマンみたいなものだし……。ジェームズ・ガンの作品はガーディアン・オブ・ギャラクシーよりはこっち。
妻が連れ去られたのを切っ掛けに自分をヒーローと思いこんだ中年男が、自家製スーツに身を包み、自警しながら妻を追う。同じような頭のイッたコスプレ女にまとわりつかれながら、列に横入りする奴とかにスパナで襲い掛かったり、子どもに卑猥なことを言うやつをボコったり。かと思えば逆襲されたり……。
強烈なグロ描写も飛び出して、とにかく痛くてイタイ。情けなさ200パーセント。でも、そのやるせなさが観る者の胸を強烈に締め付ける。ここで挙げた映画の中で、ぶっちゃけ一番好きな映画というか、心に刻まれた映画。
というわけで、まあこんな感じでしょうか。あとは『皆はこういった、鋼鉄ジーグ』とか、『キックアス』とかも好きですね。なんというか、結局はスーパーヒーローが好きというよりは、「怪人」が好きなのかもしれません。