蒼ざめた犬

齧ったフィクション(物語)の記録。……恐らくは。

 ジャック・リッチー『10ドルだって大金だ』を読み終える。時間がめっちゃかけちゃったので正直前半の記憶はほぼない……。そんなわけで、あまり良い読み方もしなかったし、また再読する必要があるかもしれないのだが、まあ、今のところ自分には合った感じはしないというか。

 小粋でユーモアをまぶし、脂っ気の抜けたいかにも通人仕様な感じといいましょうか。破綻も少なくというか、そうなる前に切りあげる巧さとか、減点視点で見ると点数が高めになる感じ。

 私は通人から見たら眉を顰めるかもしれない、破綻してたり変な話を含むゴリゴリの本格探偵小説ってやつが好きなので、帯にある優雅な殺人、洒落た犯罪ってやつにはあまり興味がわかない部分があります。あーなるほどな、ここをニヤリとするわけか、というところを眺めつつ、どうも物足りない思いがしてしまって、なんか距離がある読書でしたね。

 まあ、時間が経てば何か違った感興を覚えることもあるだろうということで、とりあえずしばらくは寝かせておく感じでしょうか。一応、他の作品は『クライム・マシン』あたりを読んでおこうかな、という気はしてますけど。