蒼ざめた犬

齧ったフィクション(物語)の記録。……恐らくは。

  僕は何らかの感想の文章を書くときに、なるべく「エモい」とか「尊い」「萌え」といった言葉を使わない様に意識してきたし、多分これからもそう意識していくと思う。別に使うことに目くじら立ててるわけじゃない。コミュニケーションの一環として、そういった言葉を投げつけ合うことはアリではあるだろう。ただ、そういった漠然とした短い言葉をコミュニティで共有して終わり、みたいなことで終わるのが、ちょっともったいないと思っているし、せっかく文章を書くんだったら、何故そうなのか、ということを出来るだけ自分の中から言葉を選んで粘土をこねるようにして形にしていきたいのだ。

 また、もっと言うなら、読む分にもそういう文章を読みたいという気持ちがある。せっかく知らない誰かの文章を読むのだ、なんとなく感情を共有して終わり、というよりもあなた自身の言葉をもっと読みたい。なぜそういった感情がわいたのか、そこから何を思ったのか、あなたのそこに至るプロセスをもっと読ませてほしい。まあ、それは、僕にとってその方が面白い、というだけなので完全に一方的な願望ではあるのだが。

 もちろん強要することはできない。ただ、僕はもっとあなた自身を形作る言葉でつづられた文章を読みたいし、お互い、その方が面白いんじゃないか。

 そう僕は思うんだ。