蒼ざめた犬

齧ったフィクション(物語)の記録。……恐らくは。

 ケムリクサの感想も一応かいとこう。

 1,2話でだいたい以前Webで公開してた自主製作版のリメイクを終えて、3話でいよいよエンジンかかってきたというところ。というか、やはり背景美術がいいですね。けものフレンズと違って、話ごとに環境がガラッと変わるわけでなし、色彩だって灰青色と赤でかなり暗いトーンなんですが、逆にそれが幻想性を強めています。赤や灰色の霧に沈む廃墟の姿がキービジュアルとしてキャラクター以上に語ってる感じ。そして、視聴者にとってその未知の空間を探索する楽しみが次第に大きくなる。

 まあ、けものフレンズもそのキャラクターがいる廃園の環境が、けものフレンズとしての一つの確固とした魅力だったわけで、たつき監督はCGキャラクターの動きもそうなんですけど、それを置く舞台というか世界づくりもかなり巧い所があるな、と思います。あと、カメラワークですね。動きが少ない分、カメラワークで世界を魅せてゆくのはやはり巧い。というか、けもフレより建物をたくさん出して、フィールドを高低差ある複雑な形にしてる感じなのかな。

 あと、わかば君がウザいのはウザいんだけど、彼の生まれたてで無知っぽい好奇心のテンションがほっとくだけで出てくる悲壮感を払えてるのは確かだと思う。というか、なんか毛嫌いされすぎというか、そもそも「男」で嫌悪感出しすぎな視聴者も結構目について、そのへんはなんだかなあという感じ。わかば君以上にそっちが“ウザい”かもしれない。

 まあ、とりあえずはそんなところ。隠れた情報とか謎とかあるけど、そこはおいおい明らかになるのでしょう。その辺の情報コントロールも結構うまくて、派手な出来事は特に起こってないのに、回を重ねるごとにキャラクターはどうなってゆくのか、この世界は何なのかと引き付けられるものがあります。一話以外は控えめですが、けもフレ以上にアクション多めになりそうなところも期待ですね。