蒼ざめた犬

齧ったフィクション(物語)の記録。……恐らくは。

 一応けものフレンズ2を観ました。

 ……これ、どこを狙ってるんだろう。低年齢層を狙っているんだろうか。それにしては動物感はキャラクターから減じているような。

 いや、なんていうかですね、個人的にけものフレンズの面白さって、CGモデルの動きにあったというか。サーバルちゃんでいうと耳の動きとか、ぴょんぴょん跳ねるような動き、ネコ科っぽいしぐさにあったと思うんだけど。まあ、全然ないってわけじゃないんだけど、もともとのアプリがアニマルガールということだし、動物の格好をした女の子よりになったということなんでしょうか。

 てか、キャラクターが自分の動物特性を口でいうところとか、児童向けっぽいキャラクター化を狙ってるのかなあ? ボスが解説してくれないからなんだろうけど、やはりそうだと動物感は薄れるというか、キャラクターの自己紹介的に映る。自分が何か、ということを把握してるわけだし。あとパート間に挟まれる動物解説は実際の動物の映像が出てくるのはいいんですけど、もろにきれいな解説という感じで、ざらついた電話録音の関係ない飼育員の雑感とかはもちろんなく、声優さんの聴きやすいザ・解説という感じになってましたね。それはともかく、実際の映像を見せるのは悪手だと思いますね。それだと実際はどうなんだろうという興味、そしてそこからあった動物園への導線という、一期の見事なギミックが完璧消えてしまってます。実際の映像見せたらだいたいそれで満足してそれっきりです。一期の動物紹介はアニマルガールが檻の中にいるということで一見ギョッとさせつつ、彼女たちのもとになった動物が動物園にいるということを示しつつ、本来の姿はどうなのかという興味を持たせるものとなっていました。だから、あれを見て動物園に行った人が多かったんじゃないでしょうか。キャラクターを動物園に置くことで動物園がいわゆる“聖地化”した、それほど見事なギミックだったのに……。2のやり方は動物園とのかかわりを自ら切ってるようにしか見えず、かなりマズい選択だと思ってます。

 で、出てくる動物たちですがカルガモ、パンダ、レッサーパンダ。どれもその動物の特性がお話のドラマとうまく結ばれてない感は少し否めないというか……。まあ、カルガモさんは頑張ってた気がするけど。というか、サーバルカラカルは何なんだろう……なんかよく分からないぞこの二人……。そもそも一話一話、そしてこのアニメ自体の基礎骨格って何なんだろう。どういう形で何を見せるかというフレームがきちんと決まっているんだろうか……うーん、あんまりよく分からない。

 とはいえ、動物ネタを挟みつつ、可愛い擬人化美少女キャラたちがわちゃわちゃ旅をする、という感じで観ていけば、それなりに楽しいのでは、という気もしています。

 とはいえなあ……一方でクイック賄派さんの同人があるんですけど、クオリティ高すぎじゃないですか? 奇しくもこちらにもロバが出てきたんですが(しかも竹林まで……)、登場シーンの元動物らしさにちょっと感動しましたよ。あの一期の続きからの二次創作なんですけど、フレンズに出会うワクワクがあって、マジ続きが楽しみで仕方ありません。

 というわけで、クイックさんの漫画は一期が好きだった人には特におススメなのです。

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※正直書いてしまうとですね、けものフレンズというコンテンツを再生する形で新たなフォーマットを作り、その後の展開にも創作意欲を燃やしていたクリエイターを追い出してまで作られた世界で、彼らを除いたまま、すごーい、という輪の中にはとてもじゃないが入れない。私にはもうこれ以上はムリだ、キツイ。