蒼ざめた犬

齧ったフィクション(物語)の記録。……恐らくは。

映画:SF

映画『WXIII 機動警察パトレイバー』

そういえば観てなかったなこれ、ということで観てみた。 本作は、機動警察パトレイバーの劇場公開アニメ第三弾となる、のだが前二作の『機動警察パトレイバー the Movie』『機動警察パトレイバー 2 the Movie』――まあいわゆる「押井版」と比べると知名度とい…

映画『デジモンアドベンチャー ぼくらのウォーゲーム!』

細田守によるデジモン劇場版の二作目。2000年制作。 細田守が長編劇場映画を監督する以前の40分の短編作品でありながら、この作品を監督のベストに推すファンがいまだに多い一作。また、初のオリジナル長編アニメ『サマーウォーズ』のプロトタイプともいわれ…

スプリガン劇場版(1998)

あらすじというやつ かつて人知を超えた科学を持つ何者かが残した遺跡群。それらを悪しきものから守れというメッセージを真摯に受止めた人々により、民間組織アーカムが結成された。そしてアーカムが擁する特殊エージェント――彼らは遺跡を守る妖精にちなみ「…

しゅわっち

一応、これ公開後しばらくして書いたやつなのだが、こういうネガティブな感想って、好きな人が読めば当然いい気はしないだろうし、嫌われるだけであんまり「得」なことはないんだってのはわかってはいるのだけど、当時見た人間の正直な感想としてとりあえず…

映画『シン・仮面ライダー』観てきた

タイトルの通り観てきた。めちゃくちゃ詳しくネタバレする気はないが、一応、それとなくメインの筋を示唆するような語りなので、そのつもりで。 庵野監督の作品は自分にとってヘンな作品が多い。個人的にはエヴァの旧劇場版あたりから本質的な部分でなんか合…

夏に観たかった娯楽大作:映画『ゴーストバスターズ/アフターライフ』

Introdaction 60年代後半から70年代前半のアメリカンニューシネマの時代が終わり、『ロッキー』をはじめ、『ジョーズ』、そして『スターウォーズ』、といった新しい才能たちが作り上げる新しい大衆娯楽映画の狼煙が上がる。そして、80年代にその「娯楽」は爆…

円弧の閉じる一瞬が永遠となる:映画『Arc アーク』

Impression ケンリュウの短編「円弧」の映画化ということですが、読んだことあるはずなのに全く忘れていました。なので、かなり新鮮に楽しめたと思う。すごくいい映画でした。久しぶりに実写の邦画を観たし、ここまでいい映画を観たのも久しぶりな気がしまし…

透明な人間たち:映画『透明人間』

久しぶりに映画館に行ってきた。『透明人間』といえば、ウェルズ……というよりバーホーベンの『インビジブル』が強烈に刻まれている自分。なので透明人間と言えば古典的な、包帯をとっていくと何もない! というヴィジュアル以上に、フリチン男(ケヴィン・ベ…

君と僕であなたと私の物語:映画『HELLO WORLD』

『HELLO WORLD』観てきましたよ。イーガンでディックでマトリックスな青春ラブストーリーと言えばいいのか。結果としてはなかなか面白かったです。 とはいえ、やはりイーガンというか、この手の量子力学ガジェットSFは頭がこんがらがる。時間とか空間とか、…

ヘンはヘンだが楽しい:映画『サイン』

『ジョーカー』の予習というかなんというか、ホアキン・フェニックスの映画を観とくか、みたいな感じになり、いまさらというチョイスですが未見だったこれを観てみました。自分にとってホアキン・フェニックスは、『グラディエーター』のシスコン皇帝なんで…

IMAXで観てきた。

観てきた。ブレランを。『ブレードランナー ファイナルカット』を。 いまさらといえば今さらだ。しかし2019年11月のロサンゼルスは、相も変わらず「未来」の先端で、果たしてフィクションはこれに変わる新しい「未来」のパラダイムシフトを起こせるのか、い…

ボンクラ・マッドマックス 映画『ターボキッド』

ターボキッド [Blu-ray] 出版社/メーカー: キングレコード 発売日: 2018/07/04 メディア: Blu-ray この商品を含むブログを見る この映画、チャリンコマッドマックスとか言われてたりしますけど、それなんか違うというか。確かに世界観はポストアポカリプスで…

炎とその一瞬の静けさ:映画『プロメア』

CGアニメの一つの到達点といっていいのかもしれない。素晴らしいアクションが、アニメーションの“動き”の快楽が横溢している映画であり、早くも今年ナンバーワンのアクションアニメ映画が出てきちゃったかもしれない……というと気が早すぎるかもしれませんが…

それは、過去の希望の姿:映画『イカリエ₋XB1』

イカリエ、なんだか不思議な語感。聞きなれないこの言葉は、旧チェコスロヴァキアの映画のものだ。 1963年。鉄のカーテンの向こう側で、『2001年宇宙の旅』(68年)に先駆ける形で生まれたSF映画。そしておそらくキューブリックのそれに何らかの影響を与えた…

幻想は地べたを這いずり始まりを目指す 映画『ガルム・ウォーズ』

久しぶりに観たんで。あ、一応ネタバレで語るので注意です。 『ガルム戦記』――プロジェクト『G.R.M』。押井ファン、特に長年のファンには思い入れがあるタイトルだろう。そのパイロットフィルムを見て、日本がハリウッドを凌駕するSF超大作を世界に問う「幻…

その瞬間、あなたはそこにいる:映画『ファースト・マン』

『ボヘミアンラプソディー』の感想を書いたときに、体験する装置としての映画がこれから増えていくだろうということを書いたが、この映画もまた、観る者にその過去の瞬間を体験させる映画である。「ボヘミアン」以上に徹底した体験追及型で、物語性や人物か…

映画『遊星よりの物体X』感想

『遊星よりの物体X』、である。カーペンターの『遊星からの物体X』ではなく。 今となってはカーペンターのリメイク元として有名という感じの51年作品、そして製作(演出の大部分も担当したとされる)はあのハワード・ホークス。 ていうか、ハワード・ホーク…

次回は戦争か? 映画『ザ・プレデター』

※一応、『ザ・プレデター』のネタバレしてるんで、観てから読むことをおススメします。 地球にやってくる宇宙人には大雑把に分けて二種類がいる。ヒョロガリとマッチョである。そして大抵はヒョロガリ――いわゆるグレイ型やタコ型宇宙人という連中である。そ…

破壊する先に何があるのか 映画『スター・ウォーズ エピソード8:最後のジェダイ』

ようやく観ましたよスター・ウォーズエピソード8を。 まあ、もう時期も時期だしネタバレで語っていくんでそこはよろしくです。 公開後にその“破壊”を許容するかどうかの姿勢がこの映画の“前進”“革新”を受け容れる者とそうでない者、みたいな分断が広がって…

意外と出来がいいぞ:映画『スクリーマーズ』

スクリーマーズ [DVD] 発売日: 2001/06/21 メディア: DVD フィリップ・K・ディックの短編「変種第二号」を原作とした1995年に公開された映画。監督はスキャナーズ2など(観たことない)クリスチャン・デュゲイ。主演はロボコップでおなじみのピーター・ウェ…

『ブレードランナー2049』 感想 :パンドラの箱に残った“希望”は誰のものか

ネタバレなし感想とかめんどくさいんでネタバレ全開でいきますからそのつもりで。 というか、観てないとあんまりわかんないかも。あらすじも略。 初日に観てきてすごい良かったのもあって、ようやくというか、開設したもののほとんど放置してたブログに感想…